2015.9.7茨木童子の写真徒然
ふるさと
夏が過ぎようとしていた頃のある日、台風の風が吹き荒れて為す術もなく外の景色を眺めていたが、建物に囲まれた空間は不思議と風もなく穏やかで、何か小さなものが飛び交って居るのが目に飛び込んできた。
よくよく見ると、赤とんぼが沢山飛んでいて、強風を避けているのだなと・・・その光景が懐かしく思えて暫く眺めていた。
子どもの頃、夏休みの終わりごろによく目にした記憶があるが、近ごろではトンボの群翔を見ることなどほとんど無く、寂しく思っていたのだが、これは台風からの贈り物でしょうか。
話は変わりますが、先年、嬉しい出会いを頂いて奥伊勢の方に幾度となく伺わせて行くようになり、そこは、山は青き、水は清き・・・と懐かしき歌のような所で心が和みます。自然豊かで、都会育ちで田舎のなかった私にまるで故郷が出来たようでした。
風の音、水の音、小鳥や蝉の声さえも耳に心地よく響き、朝早く起きて、猿や猪、鹿なども徘徊するような広い庭を私もカメラを持って徘徊します。花に止まる蝶やトンボなどの昆虫を撮影するために。
この写真のトンボは「ミヤマアカネ」。彼らを眺めていると私の魂は幼い頃にタイムスリップしてしまいます。ほんのひと時ですが、虫を追いかけていた頃の世界に浸ることを楽しむ事が出来ます。
本当はトンボの背中に乗って昔に帰りたいのかもしれませんね。頭の中に童謡「故郷」が流れてきて少し感傷的になります。