ふんふん古事記

2015.5.15ふんふん古事記

ふんふん古事記29「葦原中国の乱れ」

 天照大御神は、御子の正勝吾勝勝速日天忍穂耳命を高天原から蘆原中国へと降らせました。そこで、天忍穂耳命は、天と地の間に懸けられた天浮橋の上から地上の様子を眺めていましたが「豊蘆原の、千秋の長五百秋の、水穂国は、かなり乱れている」と、感じると、また高天原に戻りました。
 その報告を受けた天照大御神は、高御産巣日神と、相談して、八百万の神々に「天安河にて会議をするので集結せよ」と命令を下しました。このことは、知恵者である思金命に知恵を絞らせるためでした。天照大御神は尋ねました。
 「葦原中国は、我が御子が治めるべきと天忍穂耳命に役目を委ねたが、この国には既に荒々しく凄まじい国神たちが治めているように見える。この神々を蹴散らすにはどの神を使いに出したらよいものか?」
 これに対して、八百万の神々をまとめた思金命は「天菩比神」(アメノホヒノカミ)を使いに出しのがよいでしょう」といいました。
 「天菩比神」が、葦原中国に使いに行きました。しかし、大国主神にはかないません。とうとう機嫌取りをするだけで、三年の歳月が過ぎていきました。

文/もり・けん
1951年大阪市生まれ。
長年勤めた幼児教育出版社を
43歳で退社し、モンゴルに渡る。
自然に添うように生きる遊牧の暮らしを学び帰国。以後モンゴルの正しい理解と亡くしてしまった日本の心を取り戻せと訴え続ける。

日本の童謡の普及のため、作詞(新しい童謡の創作)、演奏(昔からある良い童謡の伝承)の両面で展開、全国各地を講演、ハーモニカによるコンサート活動は海外にも及びモンゴルを始めロシア、中国、北欧のフィンランドやスウェーデンなどの子供たちとも交流している。

文部科学省の財団法人すぎのこ文化振興財団の環境ミュージカル「緑の星」をはじめビクター「ふしぎの国のアリス」などを発表、絵本、童話、童謡など子供のための創作活動をしている。

現在、日本音楽著作権協会会員、日本童謡協会会員、詩人、ミュージカル作家、作詞家、ハーモニカ奏者。梅花女子大学、朝日カルチャーセンター、読売文化センター、ヤマハ音楽教室などの講師を勤める。