童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

季刊絵本新聞「絵本とことば」よりほんの千夜一夜

2019.11.2ほんの千夜一夜

『絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す』

『絵本で育てる情報分析力―論理的に考える力を引き出す』三森ゆりか著(一声社・2002年)

 つくば言語技術教育研究所所長の三森ゆりか氏の著書。旧西ドイツの現地校での学びを元に、言語技術教育と読書技術教育の両方が日本でも必要であると主張されています。
 「言語技術」とは、説明、描写、報告できる能力であり、「読書技術」とは、読んだ内容、要約、分析、解釈、批判ができるようになることです。
 著者は、絵本を通して分析し、解釈し、批判的に読める回路を子どもに育むことを奨励しています。読んでもらう絵本の絵と物の語り解釈や分析をどのように進めるか具体的な方法も含めて書かれています。
 読書技術能力に関心のある方には、ぜひ読んでいただきたい書物です。

加藤映子 大坂女学院大学・短期大学 学長
大阪女学院短期大学卒業後、大阪YMCA勤務を経て、ボストン大学・ハーバード大学教育学大学院に学ぶ。ハーバード大学で教育学修士・教育学博士を取得。専門分野は言語習得・言語と文化・コンピュータを利用した教育。絵本読み聞かせ場面における母子のやりとりなど、「子どもとことば」を現在の研究課題としている。