童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

季刊絵本新聞「絵本とことば」よりほんの千夜一夜

2021.8.1ほんの千夜一夜

『絵本作家ターシャ・テューダー』

『絵本作家ターシャ・テューダー』
内藤里永子著(株式会社KADOKAWA/メディアファクトリー・2014年)

絵本画家、挿絵画家、園芸家として知られるアメリカの女流作家ターシャ・チューダー(1915―2008)の作品を、年代別にまとめた書物です。
23歳で出版した『パンプキン・ムーンシャイン』でデビューし、『コーギーシリーズ』の絵原稿が未完成のまま、92歳で亡くなられたこの作家は、生涯現役でした。
本書には、絵本のためにターシャが描いた作品が多数掲載されており、「アメリカ人の心を表現する」と言われるそれらの絵に見惚れてしまいます。
『マザーグース』や『若草物語』の挿絵を手がけていたことも、興味深いエピソードです。
ターシャが50代後半で始めた自給自足の生活やガーデニングは、日本でも注目されましたが、その様子も記されています。

加藤映子 大坂女学院大学・短期大学 学長
大阪女学院短期大学卒業後、大阪YMCA勤務を経て、ボストン大学・ハーバード大学教育学大学院に学ぶ。ハーバード大学で教育学修士・教育学博士を取得。専門分野は言語習得・言語と文化・コンピュータを利用した教育。絵本読み聞かせ場面における母子のやりとりなど、「子どもとことば」を現在の研究課題としている。