童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

季刊絵本新聞「絵本とことば」よりほんの千夜一夜

2018.7.1ほんの千夜一夜

『読み聞かせ この素晴らしい世界』ジム・トレリース著 亀井よし子訳 高文研

原書の"The Read-Aloud Handbook"に出会い、日本語訳が出ていたので私の授業のテキストにしていた本です。1985年の出版直後にベストセラーとなったこの本は、なぜ読み聞かせが大切か、どのように行えばよいか、家庭と学校の連携、そしてテレビの弊害についてまとめられています。著者は親、教師や専門家グループを対象に、子どもと文学に関する講演を多数行っている方です。ご自身の家庭でも、テレビは置かずに2人の子どもに読み聞かせをし、その成果も本書内で述べられています。この本は著者の子どもたちと、その中学3年時の国語の先生で、子どもたちの才能に気づき、それを両親宛の手紙に書く手間を惜しまなかった教師に捧げられました。残念ながら日本語版は絶版となっていますが、ぜひ図書館などで探してみてください。
ジム・トレリースの読み聞かせホームページ(英語)
trelease-on-reading.com- Jim Trelease's Home Page
http://trelease-on-reading.com

加藤映子 大坂女学院大学・短期大学 学長
大阪女学院短期大学卒業後、大阪YMCA勤務を経て、ボストン大学・ハーバード大学教育学大学院に学ぶ。ハーバード大学で教育学修士・教育学博士を取得。専門分野は言語習得・言語と文化・コンピュータを利用した教育。絵本読み聞かせ場面における母子のやりとりなど、「子どもとことば」を現在の研究課題としている。