2019.12.8ほんの千夜一夜
『子どもと本の心理学』
『子どもと本の心理学』
福沢周亮・編(大日本図書/現代心理学ブックス・1991年)
「本」あるいは「読むという行為そのもの」を心理学的にとらえた書籍です。
まず、「子どもの本とは何か?」に始まり、童話、幼年文学、絵本を中心に、その歩みが綴られています。
また、「物語はなぜ楽しいのか?」、そして、「子どもはその楽しさをどう表現するか」についてのまとめがあり、さらには、物語のさし絵、絵の効果、親子がどのように絵本を介したやりとりを行なっているかについての事例研究にまで話が及んでいくのです。
そして、最後に、学校教育における物語文の役割が論じられており、動画や写真という、ある意味で受け身のメディアから情報を得る時代に生きている現代人にこそ読んでいただきたい一冊といえます。