童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

季刊絵本新聞「絵本とことば」よりほんの千夜一夜

2018.8.1ほんの千夜一夜

『絵本についての僕の本』

『絵本についての僕の本』文・写真 片岡義男(研究社・1993年刊)

 幼少期をハワイで過ごした著者は、英語の絵本に慣れ親しんでいたという。「幼い頃、絵本をきっかけとして、自分の世界が広がっていった」と、絵本の影響を語っている。
 そして、まだ著者自身の手元にある英語の絵本を始めとして、実に多くの絵本が紹介されていることも、この書籍の特徴だ。
 さらに、「絵本とは何か? 絵本にはどのような世界があるのか? 絵本はどんな役を果たすのか?」というエッセイや、著者が大人になってからの絵本の楽しみ方までも含まれている。
 作家としての片岡義男を知らなくとも、英語の絵本に興味がある方にぜひおすすめしたい一冊である。

加藤映子 大坂女学院大学・短期大学 学長
大阪女学院短期大学卒業後、大阪YMCA勤務を経て、ボストン大学・ハーバード大学教育学大学院に学ぶ。ハーバード大学で教育学修士・教育学博士を取得。専門分野は言語習得・言語と文化・コンピュータを利用した教育。絵本読み聞かせ場面における母子のやりとりなど、「子どもとことば」を現在の研究課題としている。