童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

季刊絵本新聞「絵本とことば」よりほんの千夜一夜

2019.1.9ほんの千夜一夜

『子どもが育つ魔法の言葉』


『子どもが育つ魔法の言葉』 ドロシー・ロー・ノルト/レイチェル・ハリス著 石井千春訳(PHP出版・2000年刊)

 大ベストセラーとなったこの本をご存知の方も多いかと思いますが、原書のタイトルは"Children Learn What They Live"で、直訳すると「子供たちは生活の中で学ぶ」。サブタイトルの"Parenting to Inspire Values"は「真価を吹き込む子育て」となるでしょう。
 家族関係の授業や講義や子育てコンサルティングを行ってきたドロシー・ロー・ノルトと、精神科医のレイチェル・ハリスの共著であるこの本は、「子どもは養育者の行動や言動から育っていく」ということを語っており、中でも最初のページに書かれた詩のような一節は、子どもと関わるすべての人に読んでもらいたいと思います。
 ちなみに、私が好きな箇所は「愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ」です。

加藤映子 大坂女学院大学・短期大学 学長
大阪女学院短期大学卒業後、大阪YMCA勤務を経て、ボストン大学・ハーバード大学教育学大学院に学ぶ。ハーバード大学で教育学修士・教育学博士を取得。専門分野は言語習得・言語と文化・コンピュータを利用した教育。絵本読み聞かせ場面における母子のやりとりなど、「子どもとことば」を現在の研究課題としている。