2019.10.3ほんの千夜一夜
『0歳児がことばを獲得するとき-行動学からのアプローチ』
『0歳児がことばを獲得するとき-行動学からのアプローチ』
正高信男著(中公新書・1993年)
私もこの新聞のコラム「ハルちゃんの軌跡」で、赤ちゃんがどのように発達するのかをまとめていますが、この書籍は、実験を元に、誕生からの赤ちゃんの行動を記したものです。
たとえば、母親の声を聞き分ける実験では、母親と母親ではない女性の声に赤ちゃんがどのように反応するのかを、赤ちゃんが乳首を吸う頻度で計測するという方法が採られました。その結果、赤ちゃんは、お母さんの声をちゃんと聞き分けているということが判明しています。
また、赤ちゃんがミルクを飲むのをやめると、母親は無意識に赤ちゃんを揺さぶります。実験では、その揺さぶりのタイミングを変えて赤ちゃんの反応を観察し、興味深い分析が行われているので、ぜひご一読ください。