2019.10.3ほんの千夜一夜
『赤ん坊かから見た世界-言語以前の光景』
『赤ん坊から見た世界-言語以前の光景』
無藤隆著(講談社現代新書・1994年)
赤ちゃんが成長していく姿は興味深いものですが、本書は、ことばを学ぶ能力を生まれもっている赤ちゃんが、その能力をどのように使っているかを、実験データを示しながら解説しています。
養育者と赤ちゃんがどのように関わりあい、ことばの獲得へとつながっていくのかを探り、たとえば、誕生直後の赤ちゃんは眠っていることが多いものですが、目をあけたときに母親と目があったり、泣くと母親があやしてくれたりといった環境の中で、外界の情報を取り入れ始めることがわかっています。
微笑みや、何かを真似しようとする力など、さまざまな赤ちゃんの行動の背後にある理由が解き明かされている一冊です。