童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

ダークおじさんと童謡の世界

2020.11.1ダークおじさん

ステイホームのときに心の沁みた歌のこと

日本の歌百選
2006年(平成18年)、文化庁と日本PTA全国協議会が「親子で歌いつごう 日本の歌百選」を選定しましたが、私が所属する「大阪童謡くらぶ」でも、これらの曲を皆で歌う会を随分前から準備をして、同年の10月にNHK大阪ホールで、第1部は、ゲストに安田祥子さん&由紀さおりさんを招いて、「童謡コンサート」を、第2部は、「大阪童謡くらぶ・童謡アンサンブル」の演奏で、「日本の歌百選」を会場の皆さんと共に歌う会を開催しました。
当時、私はこの選曲の中に、大賞の「浜辺の歌」、特別賞の「いい日旅立ち」「いつでも夢を」「上を向いて歩こう」「川の流れのように」など、抒情歌、愛唱歌などが選ばれているのは理解できても、中島みゆき作詞・作曲の「時代」が入っていることに多少の違和感を持っていたのです。

「STAY HOME」のときに、心に沁みた『時代』
今年の年明けからコロナウイルス騒ぎがあり、3月から「ふんふんさろん」のイベントもすべて中止し、4月には「緊急事態宣言」も出され、外出自粛を余儀なくされ「ステイホーム」などの言葉も話題になりました。
そんな時に、「うたごえ in ふんふん」にしばらく参加されていなかったHさんから突然連絡をいただきました。「実は昨年に大病をし、療養に専念して、やっと少し元気になりました。」との報告と共に、「この時期に、中島みゆきさんの『時代』の歌が私の気持ちにしっくりと来るのです」と仰ったのです。 
数日後、テレビの歌番組から中島みゆきさん本人が歌う『時代』のイントロが流れてきました。Hさんのことを思い出し、じわーっと心に沁み、途中でなぜか涙が出てきたのです。誰もがコロナ禍で先行き不透明な時に、心が落ち着かない不安な心を歌が癒してくれるのだと、この時改めて実感したのでした。 

うたごえ再開しましたが・・
しばらく自粛していた一部の「うたごえ」を7月から再開しましたが、コロナウイルス感染拡大には飛沫が飛ぶことがダメということで、「歌わない・歌えない・うたごえ」と題して、うたごえ仲間に来ていただいて、童謡・唱歌などの他「時代」などの曲を聴いていただきました。
最後の数分は、マスクを付けて、あるいはフェイスシールドを装着して、「日本の歌百選」の中から何曲か選び、少しだけ声を出して皆で歌う楽しさを味わいました。
8月に入りコロナウイルスの感染者数は落ち着くどころか、ますます増えています。しかも今年の夏の暑さは、特にご高齢の方々には堪えました。連日熱中症注意報も出され、さらに「ステイホーム」の日々が続いています。歌うことが免疫力を高めることは実証されているのです。新型コロナウイルスが収束し、また再びうたごえの輪が広がっていくことを、今しばらくは夢見ることにします。

文/ダークおじさん 筒井幹夫(65)
学生時代は、グリークラブ(男声合唱団)に所属。卒業後、青少年育成専門団体に携わり、学校キャンプ、ファミリーキャンプを担当する。ここで、歌が大きな力になることを体験する。
現在、ふんふんさろんシニアスタッフ。大阪童謡くらぶ会員、歌声喫茶ピープルズリーダー。