童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

ダークおじさんと童謡の世界

2022.3.4ダークおじさん

童謡カレンダー1月は「六甲おろし」

今年の干支は「寅」。寅年の生まれは1025万人だそうで、私もその一人ですが、今年のH・U・N企画発行「童謡カレンダー」は“童謡”と称しながら、1月はこの寅にあやかったのか、「六甲おろし」が選曲されています。関西は『ヨシモト・たこ焼き・タイガース』といわれるぐらい、阪神ファンが多く、小さい頃からラジオから流れるのを耳にしていたので、この曲は“童謡”といっても過言ではないかもしれません。

息子が小学生の時に少年野球に入っていて、大の阪神ファンでした。家族で甲子園球場へ応援に行って、メガホンを打ちながら「六甲おろし」を歌っていました。しかも、たまたま私の小学時代の同級生が阪神タイガースの私設応援団の団長だったので、余計に力が入りました。応援席から皆で声援を送り、選手がバッターボックスに立つと、それぞれの応援歌を応援団のトランペットに合わせて唱和し、7回裏にはジェット風船を飛ばしたり、勝利をした日の「六甲おろし」に陶酔したものです。

ご存じのとおり、「六甲おろし」の作詞作曲は、NHKの朝ドラ「エール」にも取り上げられた、古関裕而さん。1964年東京オリンピックの時に過去に眠っていた「オリンピック讃歌」を復活され、「オリンピックマーチ」を作曲するなど大活躍された方。「TOKYO 2020」のオリンピック閉会式では、選手が入場する際に流れたマーチは今でも色褪せない名曲です。
他にも古関さんは「長崎の鐘」「とんがり帽子」「高原列車は行く」なども名曲はたくさんあります。

今では、私設応援団はなくなり、コロナ禍以降はウイルス感染拡散防止のため、声援を送ることも、風船を飛ばすことも、応援歌を歌うことも禁止されています。しかも、ソーシャルディスタンス・会話禁止・黙食・合唱禁止等々・・。 

果たして、いつになればあのような歌を皆で歌うことで、気持ちが一つになれるような時代にまた戻ることがあるのか、ちょっと心痛めています。

文/ダークおじさん 筒井幹夫(65)
学生時代は、グリークラブ(男声合唱団)に所属。卒業後、青少年育成専門団体に携わり、学校キャンプ、ファミリーキャンプを担当する。ここで、歌が大きな力になることを体験する。
現在、ふんふんさろんシニアスタッフ。大阪童謡くらぶ会員、歌声喫茶ピープルズリーダー。