シンデレラ
シンデレラは、二人のお姉さんや継母に毎日いじめられていました。
お城で舞踏会が開かれる日のこと。お姉さんたちはきれいに着飾ったりして、仕度に大忙しです。
「これ、シンデレラ、何をしているの? 早く私のネックレスをとって」
「ほら、ぼやぼやしないで靴を出して」
と次々にシンデレラに用事をさせて、継母と、二人のお姉さんはお城に出かけていきました。
「私もお城に行きたいけれど、こんな汚れた服では行けないわ。それに靴もないもの」
シンデレラは泣いていました。すると白い煙とともに魔法使いのお婆さんが現れました。
「シンデレラや。お前はいい子だからね。お城に行かせてあげようね」
お婆さんが杖を振ると、台所のかぼちゃが馬車になりました。もう一度振ると、潜んでいた鼠が馬と御者になりました。最後にシンデレラをきれいなお姫様にしてくれました。
「さあ、お城に行っておいで。楽しんでくるんだよ。シンデレラ、今からいうことをよくお聞。今夜12時には帰ってくるんだよ。でないと魔法がとけてしまうからね」
そう言って、お婆さんはガラスの靴をくれました。シンデレラは馬車に乗ってお城に向かいました。
月が輝くようにきれいな夜、お城が見えてきました。シンデレラはお城に入っていきました。
お城ではもう舞踏会が始まっていました。シンデレラが大広間に入っていくと、みんなはその美しさに目を奪われました。
王子様はシンデレラに一緒に踊ってくれるように頼みました。
王子様とのダンスで楽しいときを過ごしているうちに、時がたつのをすっかり忘れてしまいました。
「ガーン、ガーン」
お城の大時計が12時を打ち始めたのです。
「大変! いそがないと」
シンデレラは、王子様に名も告げずに大広間の階段を駆け下りました。そのとき、ガラスの靴の片方を落としてしまいました。しかし拾う時間もなく、そのままお城を飛び出しました。
舞踏会が終わってからも、王子様は一緒に踊った美しい姫のことが忘れられません。
「私のお妃になるのはあの姫しかいない。皆の者、国中を探して、このガラスの靴がぴったり合う姫を探してまいれ」
王様の命令に家来たちは国中を探しました。そしてとうとうシンデレラの家にやってきました。
二人の姉さんが、そして継母までがその靴を履こうとしましたが合いません。最後にシンデレラが履くと、ぴったり合いました。
シンデレラはお城に呼ばれ、王子様と結婚することになりました。
シンデレラは、今までいじめてきた継母や二人のお姉さんを許してあげました。そしていつまでも幸せに暮らしました。