たべものだいすきおうさまシリーズ③1いち2に3さん
昔、ある国に食べることが何より好きな王様がいました。
王様は、ある日、もっと珍しい食べ物はないかと、考えました。
ある日、王様はおやつパーティーを開こうと、こんなお触れを出しました。
「きょう、おやつパーティーを開きます。
自分の好きな食べ物を持ってくること」
1 「さて、私は何を持っていこうかな?」
王様は考えました。
「そうだ! イチゴを一つ、持っていこう」
2 お城の二人の庭師は、肉まんを持ってきました。
3 三人の皿洗いは、サンドイッチを作って持ってきました。
4 四人の洋服屋は、羊羹を持ってやってきました。
5 五人の豪傑は、五目飯を持ってやってきました。
「さて、私たちは何を持っていこうか」
お城の中は、がやがや、わいわい、大騒ぎ。
「早くきめなきゃ」
「パーティーが始まっちゃう」
6 六人の牢屋番は、ロールパンを持ってきました。
7 七人の王女様は、バナナを持ってきました。
8 八人の機織は、ハンバーガーを持ってきました。
9 九人の給仕が、女王様のクッキーを運んできました。
10 十人の家来が、ジュースをチョプチョプ運んできました。
さあ、御馳走がいっぱいです。
「何と何が、いったいいくつ集まったかな?」
みんな嬉しそうに数えました。
王様は、イチゴを一つ、庭師が、肉まんを二つ
皿洗いが、サンドイッチを三つ、洋服屋が、羊羹を四つ
豪傑が、五目飯を五つ、牢屋番が、ロールパンを六つ
王女様は、バナナを七つ、機織は、ハンバーガーを八つ
女王様は、クッキーを九つ、家来たちは、ジュースを十本
ちょうどその時、森に住む、いたずら魔女が、ホーキに乗って通りかかりました。
「まあ、私だけ呼ばなかったね。ようし!」
大広間のテーブルにはたくさんの食べ物がいっぱい並びました。皆さんは、いくつあるかわかりますよね。
イチゴは一つでしたね。バナナは七つでしたね。クッキーは? わかりますね?
「いただきまーす」
この瞬間に、いたずら魔女が魔法を使いました。
真っ暗になって、次に明かりがついたときには、食べ物は消えてお皿とお箸しかありません。
皆さんは、いくつあったかわかりますよね。
イチゴが一つ、肉まんが二つ、サンドイッチが三つ……でしたね。
「わしのイチゴはどこじゃ?」
王様も探します。
「ごもくめし、やーい」
お城の中をみんなで食べ物探しが始まりました。
いたずら魔女は、みんなの食べ物をお城の外に飾りにしました。中にいるものにはわかりません。
何がいくつあったか、皆さんはわかりますね。
* 私が私が今から37年前、32歳の時に作った絵本。当時、私はひかりのくにの編集部に居ました。残念ながら、もう絶版になっていますが、私の宝物のお話です。
この「たべものだいすき王様シリーズ」は3個出ていて、①あいうえお、②1,2,3、③まる〇さんかく△しかく□と続きました。
アマゾンや古本屋さんで手に入るかもわかりませんね。