2018.4.8今夜のお話なあに
                
                
                
                
				大きな蕪
 お爺さんが蕪の種を播きました。
「甘い甘い、蕪になあれ。大きな、大きな、蕪になあれ」
 蕪はどんどん大きくなりました。
 お爺さんは、蕪を抜くことにしました。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 蕪は抜けません。
「おーい、お婆さん。ちょっと手伝っておくれ」
 お婆さんはお爺さんを、お爺さんは蕪を引っ張ります。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 蕪は抜けません。
「クララや。ちょっと手伝っておくれ」
 孫娘はお婆さんを、お婆さんはお爺さんを、お爺さんは蕪を引っ張ります。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 蕪は抜けません。
 孫娘は犬を呼びました。
 犬は、孫娘を、孫娘はお婆さんを、お婆さんはお爺さんを、お爺さんは蕪を引っ張ります。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 蕪は抜けません。
 犬は、猫を呼びました。
 猫は犬を、犬は、孫娘を、孫娘はお婆さんを、お婆さんはお爺さんを、お爺さんは蕪を引っ張ります。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 蕪は抜けません。
 猫は、鼠を呼びました。
 鼠は猫を、猫は犬を、犬は、孫娘を、孫娘はお婆さんを、お婆さんはお爺さんを、お爺さんは蕪を引っ張ります。
「うんとこ、どっこい。うんとこ、どっこい」
 ズズズッポーン!
 やっと蕪は抜けました。
 
                     
                     
                     
                     
                    