童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

今夜のお話なあに

2020.4.6今夜のお話なあに

4月8日 お釈迦様の誕生日

 それぞれの家にも宗教があるように、国にも宗教があり、ヨーロッパやアメリカなどはキリスト教、サウジアラビアやイランなどはイスラム教、中国やインドなどは日本と同じく仏教でした。
 日本では、明治時代に大日本帝国憲法で仏教を国教とした経緯がありますが、第二次世界大戦後、日本国憲法の第20条において、信教の自由が規定されました。以後、日本人はそれぞれの宗教行事をTPOに合わせて上手に参加しているように思います。
 子どもが生まれたらお宮参り(神道、仏教)、七五三(神道、仏教)、結婚式(キリスト教、神道、仏教)、お葬式(仏教、キリスト教)というように。その中でも、日本では春と秋のお彼岸やお墓参り、お葬式など、仏教とかかわる機会が多いのですが、4月8日にお寺に行く方は少ないと思います。
 その日は、仏教の創始者お釈迦様の誕生日です。キリスト教の創始者イエスキリストの生誕を祝う行事クリスマスは盛んですね。私の家は仏教なので、皆さんにも少しはその創始者のことを知ってほしいなと思いました。
 4月8日には、花祭り、灌仏会(かんぶつえ)などの呼び名で、お釈迦様の誕生を祝うお祭りが行われます(5月8日の寺院もあります)。
 お釈迦様の誕生日は、推古14(606)年の4月8日という『日本書記』の記述があるように、1400年以上前からの歴史がある行事です。「灌仏会」という言葉は、平安時代の840年から使われていて、「花祭り」という言葉は、のちの明治時代からのようです。
 紀元前5世紀、北インドでお釈迦様が生まれられた時、すぐに立ち上がり、天と地に指をさして「天上天下唯我独尊」といわれたことから、その時のお姿を表した像に甘茶をかけて、その誕生をお祝いするお寺の行事が、花祭りです。
 皆様にも触れてもらいたいと思い、紹介しました。お近くのお寺で、一度体験してみてください。

文/もり・けん
1951年大阪市生まれ。
長年勤めた幼児教育出版社を
43歳で退社し、モンゴルに渡る。
自然に添うように生きる遊牧の暮らしを学び帰国。以後モンゴルの正しい理解と亡くしてしまった日本の心を取り戻せと訴え続ける。

日本の童謡の普及のため、作詞(新しい童謡の創作)、演奏(昔からある良い童謡の伝承)の両面で展開、全国各地を講演、ハーモニカによるコンサート活動は海外にも及びモンゴルを始めロシア、中国、北欧のフィンランドやスウェーデンなどの子供たちとも交流している。

文部科学省の財団法人すぎのこ文化振興財団の環境ミュージカル「緑の星」をはじめビクター「ふしぎの国のアリス」などを発表、絵本、童話、童謡など子供のための創作活動をしている。

現在、日本音楽著作権協会会員、日本童謡協会会員、詩人、ミュージカル作家、作詞家、ハーモニカ奏者。梅花女子大学、朝日カルチャーセンター、読売文化センター、ヤマハ音楽教室などの講師を勤める。