クラゲのお使い
クラゲのお使い
竜宮城には乙姫様がいます。乙姫様はオトヒメエビというエビなのです。そして、一応そこはお城なので、お殿様もいます。お殿様は、乙姫様のお父様ですからブラックタイガーというエビですかね。
さて、ある日のこと、乙姫様が熱を出しました。何日も熱は下がりません。そこでイシモチの医者を呼んで診てもらいました。
「よく効く薬はあります。それは猿の生き肝です」
お殿様は家来の中から、クラゲを選び、猿の生き肝をとってくるように命令しました。クラゲは、生き肝が何なのか知りませんでしたから、猿に聞けばいいと思って猿島に行き、1匹の猿にいいました。
「竜宮の乙姫様が会いたがっています。あなたをお迎えにきました」
と、海の上に連れて行きました。
「猿さん、あなたは生き肝を持っていますか?」
「もちろん持ってはいるが、それを聞いてどうするのかね?」
「実は・・・・猿さんの生き肝が欲しいのです」
クラゲはそのまま話してしまいました。猿は考えました。
「生き肝はあげてもいいが、置いてきてしまったので、取りに帰りたいが」
「そうか、では早く取ってきてください」
クラゲは島に戻り猿をおろしました。
待てど暮らせど、猿は戻ってくることはありません。
クラゲは仕方なく竜宮城に帰り、あったことをお殿様に話しました。
「この役立たず」
怒ったお殿様はクラゲの全身の骨を抜いてしまいました。
それ以来クラゲには骨がなくなったのです。