「ランドセルに願いをこめて」
阪神・淡路大震災がおこったのは、
「淡路島はいいね。食べ物はおいしいし、地震もないし」
そう言われて結婚した1年半後のことでした。
100年に一度の大地震と言われた阪神淡路大震災。
淡路島で被災した後、「もう2度と、こんなことは起こって欲しくない!
他のだれも、もうこんな思いはしないで欲しい」
そう思って過ごしたこの21年間でしたが、日本国内で震度7を記録する大地震は、今回で5件目を数えました。
東日本大震災から5年が過ぎましたが、まだまだ復興には時間がかかります。
そして今回の熊本地震。2度にわたる震度7の揺れに加え、たび重なる余震に、心休まる暇もない熊本や大分の方々を思うと、本当に心が痛みます。
先月のこと、同じ被災経験者として、義援金を送る以外に、何かできることは無いかと考えていた時に、「被災した子どもたちにランドセル贈ろう!」と呼びかけていることを知りました。新しいものでなくて構わない、使わなくなったランドセルを集めていると聴き、さっそくお届けしました。
今年20歳を迎えた息子が、6年間お世話になったランドセル。
倉庫の中に、まだ大切にしまってありました。
もう使うこともないと思っていましたが、こんな形でお役に立てる日がくるとは…複雑な気持ちです。
雨の日も風の日も、笑顔の時も涙の時も、息子と共に過ごしたランドセル。
小さな擦りキズやケガはありましたが、大きな事故や事件に巻き込まれることなく、楽しかったと思える6年間を、見守ってくれたランドセル。
どうぞ、このランドセルを使って下さる方が、震災に負けることなく、勉強や遊びを楽しみ、友達と心を通わす日々を、笑顔で過ごして下さいますように。
このランドセルが、新しい持ち主となるお子様の、小学校生活の"良き友"となり、安全を守ってくれますように。
熊本そして大分の、一日も早い復興を、心から願い、祈ります!