落語のような講演を
この夏、「桂米朝一門落語会~お盆興行 涼を呼ぶ噺~」を聴きに行きました。
おばけや幽霊は、冬よりも夏が似合います。見たことはありませんが、それなりに想像はできます。実際に表れたらぞっとするでしょうが、そこはお噺、落語の世界。笑いながら楽しませていただきました。
今では、CDやDVDで日常的に落語を楽しんでいますが、実は社会人になるまで、ほとんど聴いたことがありませんでした。出版社に入社後、指導係でついてくださった先輩が、落語好きの方でした。落語は聴いたことがないと言うと、それならばと渡されたのが、桂米朝師匠の『地獄八景亡者戯』のカセットテープ(この頃は、CDではなくカセットテープが全盛)でした。
「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」という読み方も初めて知るくらい、落語知識はゼロに近かったのですが、せっかくのおススメだもの、とにかく1回聴いてみることにしました。
米朝師匠の「地獄八景~」は、落語初心者の心をつかむには、十分すぎるくらいでした。耳から入った言葉が、そのまま映像に浮かびあがってくる感じ。知らないなりにも想像ができ、あまりの面白さに、2度、3度と聴きました。
この出逢いが、落語好きの道へと誘ってくれました。
その後、フリーのトーキング・プランナーとして仕事を始めてからは、落語の語りの声色、間、緩急など、大いに参考にさせていただきました。笑いながらパワーを充電し、笑いながら次に備えて行く…気持ちが晴れない時に、落語を聴いて思い切り笑うのはもちろん、落語のように、日常のささやかな出来事に面白みを見つけ、嫌な事も笑い飛ばして進みたいと、心から思います。
そして出来れば、落語のような「飽きさせず、面白く、オチのある」講演をしたいなあ~と…まだまだ修業中です。