あなたは えらい
「できないことを直すより、できることを伸ばす方が、結果的に人は成長する。けなすより、ほめることが大事」
この言葉に出逢い、「ほめるって、どうっやって…?」と考えていた時に見つけたのが『ほめ言葉の辞典』(現代言語セミナー編、実務教育出版)でした。
まさに、運命の出逢い。
表紙に書かれた「どんなことでも どんなふうにも ほめられる」のフレーズに心惹かれ、迷わず購入しました。もう20年以上も前のことです。
以来、折りにふれ手に取り、「なるほど、この言葉はこんな風に使うのか…」「えっ、これもほめ言葉になるんだ」などと驚いたり学んだり、単に読んで楽しんだり。日本語の美しさや細やかさが感じられ、愛読書の1冊です。
コミュニケーションの中でも、ほめることは大事ですが、「どうやってほめよう…」「立派にほめねば…」と悩むと億劫になり、結局はほめるチャンスを逃すことも。それなら、どんな表現でほめるかを悩む前に、自分がいいねと思ったことを、素直に相手に伝えればいいのではないかと気づきました。
「私はあなたの優しいところが好き」こう言うだけで、「あなたは優しい人ですね」とほめているのと同じになり、相手にも伝わりやすい気がします。さらに、素敵なほめ言葉を添えてみるのも楽しいこと。
まずは、ほめ慣れること。そしてどんなところでも、自分がいいね! と思えば、本気でほめること。
ここで、ほめることが好きになる絵本をご紹介。
『とらは えらい』(五味太郎 作、クレヨンハウス)
「とりあえず しましまのところが えらい」「とくにたのまれたわけでもないのに がんばってしまうところが えらい」など、とらの偉いところが書かれていて、なんとも微笑ましくなるのです。
ほめ言葉は、相手を笑顔にします。「一日一笑」に加えて「一日一ほめ」なんて、いかがでしょう。