音楽朗読「蜘蛛の糸」
今年は災害の多い年で、国内外で次々に被害が出ているのは、本当に心が痛みます。被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
ふんふんでは、東日本大震災以降、被災された方々への支援活動として、チャリティーコンサートを開催。その収益を義援金としてお送りしています。
今年のチャリティーコンサートは、西日本集中豪雨災害の支援として行われ、私も参加。童謡誕生100年の記念すべき年でもあり、より一層の童謡普及を目指して活動中のもり・けんさんとのコラボで、音楽朗読を行いました。
「童謡」の言葉が初めて登場したのは、幼児向けに作られた雑誌『赤い鳥』でのこと。芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」も、ここに掲載されました。そこで、もり・けんさんのハーモニカ演奏を付けていただき、音楽朗読「蜘蛛の糸」を行うこととなりました。
子どもが生まれてから始めた、絵本の読み聞かせ。そこから広がり、親子朗読にチャレンジしたり、親子イベントや小学校・幼稚園・保育園などで、絵本の読み聞かせや音楽朗読を行ってきましたが、文学作品を一人で読むのは、実はあまり経験のないこと。新たなチャレンジとなりました。
「蜘蛛の糸」は、極楽にいらっしゃるお釈迦様が、地獄にいるカンダタを救ってやろうと蜘蛛の糸を垂らすのですが、カンダタが自分だけ助かろうとしたため、蜘蛛の糸が切れて、元の地獄に落ちてしまう…というお話。人間の業の深さを感じます。
物語の場面は地獄と極楽なので、読みながら、日に何度も地獄と極楽を行ったり来たり。音楽の力を借りつつも、やはり言葉、声で情景を浮かべていただけるよう、何度も読んで、何度も聴いて、その繰り返しの中で、なんとか自分なりの「蜘蛛の糸」がお届けできたように思います。
でも、まだまだです。読むことで伝えられる力をもっと磨きたいと、あらためて思いました。
チャリティーに続き、豊岡市でも読ませていただきました。練習の始まりからほぼ1カ月の「地獄と極楽の旅」を終え、現実に戻ってきた今…さて、次はどんなお話の旅に出かけようかと、ワクワク思案中です。