2015.6.3新着今月の童謡
6月の童謡「みかんの花咲く丘」
みかんの花咲く丘
作詞:加藤省吾 作曲:海沼實
みかんの花が咲いている
思い出の道丘の道
はるかに見える青い海
お船が遠くかすんでる
黒い煙をはきながら
お船はどこへいくのでしょう
波に揺られて島のかげ
汽笛がぼうと鳴りました
いつか来た丘かあさんと
いっしょにながめたあの島よ
今日もひとりで見ていると
やさしいかあさんおもわれる
みかんの花咲く丘
優しいワルツのリズムに乗った明るい曲が戦後の日本を明るくした。でも、みかんの花が咲く頃って? みかん生産県静岡県では五月初旬に白い五弁の肉厚の花が咲く。では、なぜ花が咲く頃が歌になったのか? これには訳がある。第二次世界大戦終戦から約一年後に発表されたこの曲。NHKに制作を任されていた海沼が発表前日に音楽雑誌編集長の加藤に「すぐ書いてくれ」と作詞を依頼。加藤は当時流行っていた「リンゴの唄」の作詞者サトウハチローの後輩。リンゴをみかんに変え、作れば「二番煎じ」となる。そこで加藤は実ではなく花に的を絞り三十分で書いた。GHQの検閲後、海沼は電車の中で作曲、童謡歌手川田正子に口移しで伝えた。川田は海沼の名刺のメモを見ながらラジオで歌った。母が逝った二〇〇一年、私の作詞作品をビクタースタジオで録音した時、音羽ゆりかご会指導者の川田正子さんから聞いた。私にとっても思い出深い歌で、三番では涙が出る。
日本童謡協会会員 もり・けん
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