一月一日
『一月(いちがつ/いちじつ)一日』は、①1892年発表の稲垣千穎作詞、小山作之助作曲によるもの、②1893年発表の千家尊福作詞、上真行作曲によるもの、③1916年発表の葛原しげる作詞、小松耕輔作曲によるもの、の3曲がありますが、上記の1893年発表のものが一番よく知られています。
作詞の千家尊福(せんげたかとみ、1845-1918)は、出雲大社の宮司を務める出雲国造家に生まれ、神道大社派を創始。その後、神道大社教に改称し管長に就任するなど、教派神道たる出雲大社教の礎を築きました。
元老院議官を経て、第1回貴族院男爵議員選挙にて貴族院議員に選出され、以来、連続4期に渡り貴族院議員を務めました。
また、埼玉県知事、静岡県知事、東京府知事を歴任したのち、第1次西園寺内閣にて司法大臣に就任するなど、私たちの想像を絶する活躍をされました。
作曲の上真行(うえさねみち、1851-1937)は、明治から昭和前期の雅楽家。京都出身。
明治3年太政官雅楽局にはいり、14年音楽取調掛教官を兼務、大正6年宮内省楽部楽長となりました。
また、洋楽も学び、『小学唱歌集』の編集に従事。『一月一日』のほかに『天長節』『鉄道唱歌』なども作曲しています。
昭和12年2月28日死去。87歳。
〈参考〉
一月一日
稲垣千穎 小山作之助
一 年立つ今日(けふ)の大空に
光り輝く日の御影(みかげ)
仰がぬ民はなかりけり
わが君 千代に萬世(よろづよ)に
二 年立つ今日(けふ)の家ごとに
祝い立てたる日の御旗(みはた)
なびかぬ國はなかりけり
我國(わがくに)千世(ちよ)に萬世に
三 (略)
四 (略)
(1892(明治25)年『小学唱歌 第一巻』)
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