海
日本の夏には、欠かせない歌である。詩の林は海の持つ無限のすばらしさを素直に表現した。一番=あの太陽や月までも小さく見える圧倒的な海の大きさを描いた。二番=波打ち際で打ち返す波を見て、どこまで続くのかと考えた。三番=大きな海という存在を前に、もっと広い世界があることを実感、海の向こうへの夢を描いた。短い詩の中に見事にまとめた。曲の井上は、この詩の素直さを感じ、優しいメロディーをつけた。
また「海にお船を浮かばして」と子供の心で書いた歌詞を「浮かばせて」が正しいという主張で一九八〇年に改訂したお役所仕事が、この詩の「子供の心を歌った」せっかくの力を失わせてしまったことが残念で、私は敢えて、「浮かばして」と表現するように薦めていて、拙著「日本の童謡」(登龍館刊)でもそのように表記している。戦争中に発表され、教師用手引書に「海国日本国民の憧憬と意気とを歌ったもの」と書かれて戦意高揚に役立ったかもしれないが、この詩は海の雄大さを書いただけである。
日本童謡協会会員 もり・けん
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