びわ
作詞のまど・みちおは1909(明治42)年生まれ、20歳頃から詩作を始め、25歳の時に北原白秋にその才能を認められるが、33歳の時太平洋戦争に召集。
2014年104歳でなくなる少し前までの創作意欲のエネルギーは、政治、行政、教育、経済、戦争などに対する不満だった。
表現の前に存在があるという意味から「存在の詩人」とも呼ばれた。代表作は『ぞうさん』『やぎさんゆうびん』『ふしぎなポケット』『一年生になったら』など。
作曲の磯部俶は、1917(大正6)年「赤い鳥」創刊の1年前に東京都大田区で生まれた。
多くの合唱曲を作曲し、指揮者としても活躍した。合唱曲としては、男声合唱、女声合唱、混声合唱ほかの作曲をしているが、『びわ』は女性コーラスのために作曲された。
また、男性カルテット「ボニーシャックス」は、磯部俶が名付け親であり、メンバー4人の結婚式の媒酌人は全員磯部夫妻が務めた。
磯部俶作詞・作曲の『遥かな友に』は、1951年、当時すでに早稲田大学グリークラブのOBであり、かつ、指導者であった磯部が、メンバーと共に神奈川県の道志川沿いの津久井渓谷(現・相模原市緑区)の夫婦園で夏合宿をしていた時、なかなか寝ない部員たちを鎮めるために即興でつくったといわれる。1998(平成10)年没。
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