2015.11.1新着今月の童謡
11月の童謡「夕焼小焼」
夕焼小焼
作詞:中村雨紅
作曲:草川 信
夕焼小焼で日が暮れて
山のお寺の鐘がなる
お手々つないで皆帰ろ
烏(からす)と一緒に帰りましょう
子供が帰った後からは
円い大きなお月さま
小鳥が夢を見る頃は
空にはきらきら金の星
夕焼小焼
詩の中村は、野口雨情を慕って雨紅と名乗った。日本人の原風景に欠かせない「夕焼け」を素直に書いているが、近代童謡詩としての価値はあまり認められてはいない。でも多くの人から愛唱されているのは、分かりやすい曲を付けた草川の力と言わねばならない。私も詩人の端くれであるが、歌を作る時にどの作曲家に当たるかが、運命の分かれ道だと思う。草川は自著に「鐘の余韻みたいなものを感じて前奏と間奏に用いた」と語っているので、できれば伴奏付きの楽譜を見て演奏してもらいたいと思う。メロディー譜だけだと作曲の意図は伝わらない。また、一番の歌い出しの「ソソソラ」で演奏されると「ゆ・う・や・け」と区切って歌ってしまうので、歌詞で歌うように「ソーソラ(ゆーやけ)」と歌ってほしい。当然、二番は「ソソソラ(こ・ど・も・が)」である。「歌詞の流れのように歌うことが大切である」と私は日頃から童謡を歌ってくださる人に話している。
日本童謡協会会員 もり・けん
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