平城山
訳(もり・けん)
人を恋するということは 悲しいことです
平城山を歩きながら 辛いものだと
私は感じました きっと昔の人も
恋しい思いを秘めて越えたことでしょう
この平城山の道で私も涙しました
歌の訳は私が書きましたが、この歌ができる背景には、大恋愛ドラマがありました。
作詞の北見志保子の人生がこの歌には激しく息づいているのです。
北見と結婚した歌人の夫を訪ねて通ってくる12歳年下の慶応大学生と北見は良い仲となり、夫は大正11年に協議離婚をします。
夫は「かりそめにちぎりしことと思はねど去りゆく心つなぐすべなし」と、歌を残して去っていきました。
学生の父親は、彼をフランスに留学させてしまいます。そして3年後、大正14年にフランスから帰ったその学生と北見は結婚します。
この『平城山』は、遠く、フランスにいる恋人を思ってつくられた可能性が高いのです。二人の恋物語がこの歌のもとだったのです。
戦後、初めて帰郷した北見はこんな歌を書いています。
「山川よ野よあたたかきふる里よ声あげて泣かん長かりしかな」
女性が絆を破り、恋に溺れて浮名を流されるということは、その時代ではだれも許すものがいなかったのでしょう。今は? 答えはそれぞれで出してみてください。
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