童謡伝道マガジン「ふんふん」H・U・N企画

今月の童謡

2019.8.2新着今月の童謡

花火

花火
井上赳 下総皖一
一 ドンとなった花火だ きれいだな
空いっぱいに ひろがった
しだれやなぎが ひろがった

二 ドンとなったなんびゃく あかいほし
いちどにかわって あおいほし
もいちどかわって きんのほし

花火
 島根県松江市出身の井上赳(たけし)は、文部省図書監修官として20年にわたり国定教科書の編集に携わりました。
 井上は「サイタ サイタ サクラガ サイタ」に象徴されるように、文から教えることを提案して『小学国語読本』を作りました。
 この『花火』は、1934年『小学国語読本』尋常科3学年に、読む韻文として発表した詩で、もともと作詞家ではなかったので、井上の詩でできた童謡は少なく、『蛍』、『花火』のほかには、『田植』(中山晋平作曲)、『電車ごっこ』(信時潔作曲)があるくらいです。
 埼玉県北埼玉郡出身の下総皖一(かんいち)は、この詩に曲を作曲、1941年『うたのほん(下)』に掲載されました。
 先月の童謡『蛍』に続き、この『花火』も井上赳とのコンビです。
 下総はこの他にも、『たなばたさま』(詩 権藤はなよ・林柳波)なども作曲しています。
 しかし、東京音楽学校(現・東京芸術大学)で作曲を信時潔に師事、首席で卒業した下総は、ドイツのベルリン芸術大学で、パウル・ヒンデミットにも師事し、芸大での門下に團伊玖磨、芥川也寸志ら優秀な作曲家を育てた人で、作曲の専門はクラシック音楽のため、童謡は少ないようです。
 花火の起源は諸説ありますが、一般的にはルーツは、古代中国の狼煙(のろし)とされています。煙による通信手段ですが、火薬の技術の発達とともに花火が誕生したようです。
 夏の風物詩の花火大会は、日本全国で開かれ、私たちを楽しませてくれていて、この歌もともに長く愛されています。

今月の童謡を皆さんで歌ってください。園、学校、グループでの歌唱、演奏の様子を映像で送っていただけますでしょうか

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