蛍
作詞の井上赳(たけし)は島根県出身の文部省教科書編集委員として、1930年『小学国語読本』(サクラ読本)を編集、当時の唱歌は国語読本と密接な関係があり、作詞も手がけました。
『蛍』のほかに、『花火』『電車ごっこ』なども書いています。
作曲の下総皖一(かんいち)は埼玉県出身の作曲・音楽教育者として、1940年文部省教科書編集委員となり、『蛍』のほかに、『野菊』『たなばたさま』『夕焼小焼』『電車ごっこ』なども作曲しています。
日本にいる光る蛍の代表的な種類は、「ヘイケホタル」と「ゲンジボタル」。江戸時代にも蛍は一般的にいた文献があります。弱めの光を細切れに放つ「ヘイケホタル」は全国に生息。明るく長めに光る「ゲンジボタル」は、本州から九州の方が生息地です。
綺麗な川の横の草に産みつけられた卵が孵化すると、幼虫は川の底へ行き、小さなカワニナ(巻貝)を食べ成長します。成虫になると食事はとらず、約2週間ほどで短い寿命を終えます。
その2週間は、一生懸命オシリを光らせてパートナーを探し、光り方の違いで雄と雌を見分けます。相手が見つかると交尾し、産卵が終わる頃、その一生を終えます。蛍が光ることのできる短い間は、蛍の一生の最後の光というわけです。
私はこの話を聞いて蛍を捕獲することを控えました。一番大事な時に籠に入れては申し訳ないと思ったからです。
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